パソコン廃棄の成立

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現実には,郊外の白地地域に工場が集中し,大都市が周辺部へ拡大したため,これは意図とは逆に広域大都市圏を形成する契機となったのである。

他方,工場立地法(73年)は,59年に制定されていた工場立地の調査等に関する法律を改正したものである。 60年代における公害問題の顕在化をうけて,大規模な工場が集中的に立地すると予想される地区では汚染予測調査をおこなうとか,一定規模以上の工場や電気ガス熱供給の事業場を新増設するときは届け出を必要とする,などの項目がくわわった。
これに対して環境政策は,50〜60年代に産業公害が増大・深化してきたとき,健康障害や生活環境の悪化に焦点をあて,公害防止のための規制に重点をおいていた。 当初は,地方公共団体が域内で発生した環境問題に対処する過程で経験を積み上げてきたので,環境政策の形成と実施には他の政策と比較して地域の主導性が発揮されている。
公害防止条例の制定や公害防止協定の締結などは,なかでも代表的なものであろう。 73年の第一次石油危機以後,エネルギー価格の高騰と公害規制の展開が相互に作用して,産業活動による負荷量の発生は低下した。
当時は重化学工業が卓越していたけれども,これら業種の資源の利用効率は相当低いことが結果的に立証されたことになる。 逆に,価格政策と公害規制が資源の利用効率を高め,負荷量を削減するうえで有効なこともあわせて明らかになった。
これは,今日の環境政策にとっても示唆するところが大きい。 公害規制という発生源対策を中心に環境政策が展開した70年代は,産業構造の転換が進行する時期でもあった。
第二次産業に代わって第三次産業のウエイトが高まる一方,工業においても基礎素材型工業から加工組立型工業や情報・通信系の工業へと主軸が移行した。 そして,こうした産業構造の転換が進行するのと並行して,経済は成長段階から成熟段階へと移った。
工業の空間的な展開は外延的拡大のテンポをゆるめ,80年代にはいるとむしろ国外への展開に拍車がかかっている。 こうした動きは,産業公害の発生頻度とその内容を変化させる主要因となった。
また産業構造の転換は,地域政策において,手段と達成効果のあいだにずれを生じさせている。 ひとつは,サービス経済化の進展などによって雇用と所得の両面で第三次産業のウエイトが高まると,工業を扱うだけでは地域政策の目的を達成するのに不十分となることである。

いまひとつは,工場の海外進出が進むので,大都市での立地規制がそのまま地方圏への展開につながるとは限らなくなったことである。 そのため,地方の拠点都市へ第三次部門を移転させて都市機能の高度化を図るという方法が登場してきた。
かつてOECDが日本の環境政策を概観した際,公害対策にくらべて環境の質を向上させる対策の不十分な点を指摘したが,地域政策の新しい動向はこうした環境政策の課題と接点をもつことになろう。 現在,経済の成熟化が進むにつれて,発展のパターンを外延的拡大から内包的充足へと転換させることが課題となりつつある。
これは,産業による空間の利用効率をいかに高めるかという問題を発生させただけでなく,生活空間との競合を新しい次元で克服するという問題も生み出した。 たとえば工場三法は,経済のグローバル化が進むなか,大都市中心部における産業の振興を阻害しているという理由で,経済界から撤廃の要求が出ている。
大都市では立地規制の結果,本来は工場となるはずであった土地や,もともと工場であったが立地移動のため空き地となった土地が存在しているが,地域政策の射程はその後の利用や保全のあり方にまではおよんでいなかった。 ところが工場三法の撤廃要求など,主として産業振興の面から立地規制への批判がでてくると,これまで地域政策があまり関与していなかった領域の問題を,地域政策の目的に照らして判断する必要が生じてきた。
こうした問題は,従来は都市計画のなかで扱ってきたものである。 しかし,既存の計画は土地利用の現状を追認し,計画に総合的なビジョンを欠くケースが少なくなかった。
したがって,工場移転によって跡地が発生したとしても,それを都市環境の整備に結びつけるプロセスを制御しえなかった。 1970年代には,地域政策のなかでも土地利用に重点のかかった動きが生じていた。

74年に成立した国土利用計画法がそれであり,制度上は地域政策の原点となっている国土総合開発法とほぼ並行的な関係になるようにつくられている。 ところが,都道府県が作成する土地利用基本計画のなかは,都市地域,農業地域,森林地域,自然公園地域,自然保全地域と大きく五つに分かれ,それを担当するいくつかの省庁が目的を異にした土地に関する計画をもっている。
それぞれの目的をあつかう法律や政令は,成立した時期が異なり,網のかけ方,あるいはかける時期が違っているために,かなり重複部分が発生している。 重複した部分をどの方向へ誘導していくかという点について一定のガイドラインはできあがっているが,現実にはうまく機能していない。
これは,関連省庁のあいだに権限が分散しているため,その間の調整が困難なところに大きい原因がある。 その意味では,行政システムの統合や組替えといった制度的対応を必要としている。
土地利用の場合には,その実態に地域差が大きいから,中央レベルでの行政システムの再編よりも,メソスケールを直接担当する地方公共団体に総合的な調整を図る権限を移転する方が,効果は大きいであろう。 メソスケールでの総合的な計画としては,従来,開発計画が主体であったが,1970年代後半から80年代にかけての期間にほとんどの都道府県で地域環境管理計画が策定され,環境をベースにおいた総合的な計画があらたに加わった。
77年に第三次全国総合開発計画が成立し,人間居住の総合的環境を整備するという課題を掲げたあたりから,工業立地政策に力点をおいていた地域政策と公害対策型の環境政策との距離が狭まり,相互の調整と統合が必要とされるようになっていた。 地域環境管理計画は,その具体化とみなすことができよう。
これの機能として,大規模な開発計画にたいして,環境担当部局が関与する場を用意した,地域計画の策定・実行にあたって,環境への影響をあらかじめ内包したプランが要求されるという政策課題に対応した,という点をあげることができる。 地域政策に環境管理ないし環境保全の理念を明示するという動きが定着する過程で,国民経済を対象とする地域政策と環境政策とは共通の土俵を広げていったが,地域環境管理計画はメソスケールで両者の統合を図る契機となったのである。
ただ,この計画も,これまでのところ現実の達成効果はそれほど高くはない。 これは,土地利用計画と同じように権限の調整が困難であるというだけでなく,総合的な計画を支える新しい枠組の設定が不十分なところにも原因の一端がある。
個別計画をこえた広域的な視点から,都市や農村をどう編成するのか,自然環境をどう位置づけるのかといった点を統一的に把握し,評価する枠組を設定していくこと,さらにそれを個別計画につないでいく際のプロセスを制御する方法を明らかにすることが,重要な課題といえよう。

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